東京海上日動「育てる側と育つ側、双方の意識と行動を変革する」:ジェンダー平等及び多様性と調和に関するパートナー事例共有会

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公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、2021年5月10日(月)、「ジェンダー平等及び多様性と調和に関するパートナー事例共有会」を開催しました。同イベントは、東京2020大会パートナー各社におけるジェンダー平等や多様性と調和に関する取り組みを、東京2020組織委員会及び全パートナーで共有することにより、東京2020大会、さらにその先のレガシーにつなげていくことを目的としています。

先進的な自社事例についてプレゼンテーションを実施したパートナー7社の中から、今回は東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)の取り組みを紹介します。

あらゆる意思決定の場で、個々の意見が反映される企業風土へ

東京海上日動の事例紹介は「アンコンシャス・バイアスへの取り組み」がテーマ。東京海上ホールディングス株式会社の執行役員人事部長の鍋嶋美佳さんがプレゼンテーションを行いました。

東京海上日動はダイバーシティ&インクルージョン推進の意義・目的を、「重要な成長戦略そのもの」と位置づけています。多様な価値観を持った社員が、性別、年齢、国籍、障がいの有無等にかかわらず、個々人の能力を最大限発揮し、それが生かされることが、企業が価値を生みつづける原動力となり、結果として持続的に企業の成長につながるという考えです。

なかでもジェンダーギャップの解消については、女性の働く環境の変化を踏まえ、積極的に人材育成や環境整備が行われてきました。東京海上日動のジェンダーギャップ解消の取り組みの目指す姿は、「会社や組織のあらゆる"意思決定の場"に女性が当たり前に参画している状態」。会社が成長していくためには多様な意見を交えることにより、意思決定の質を高めていかなければなりません。「あらゆる意思決定の場」とは役員や管理職の会議の場だけでなく、さまざまなプロジェクトチームを含んだ全ての場を指しており、「参画」とはそれぞれの場で社員が主体的に論議に関わり、個々の意見が意思決定に反映されている状態だという意味が込められています。

東京海上日動は、過去約15年間、女性が当たり前に活躍できる会社になることを目指し、人事制度や福利厚生においてキャリアを継続できる仕組みづくりを進めてきました。一方で、先述の「目指す姿」を実現するためには、あらゆる制度の土台となる、企業風土の変革が重要になってきたといいます。

具体的には、「育てる側」と「育つ側」、両方の意識・行動変革を加速すること。企業風土は、社員一人ひとりが、日常的に自身の発言や行動を振り返ることが出発点だからです。2020年には、「変わろう、変えよう」というテーマのポスターが全ての事業所に配布され、3つの重点課題について日々振り返ることが促されました。1つ目が「会議や打ち合わせの場での多様性の確保」。2つ目が「育てる側のアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」。3つ目が「育つ側のインポスター・シンドローム(詐欺師症候群)」です。今回は、育てる側のアンコンシャス・バイアスを中心に説明が行われました。

プレゼンテーションを行った鍋嶋美佳さん
プレゼンテーションを行った鍋嶋美佳さん

アンコンシャス・バイアスを持っていることを自覚するのが大切

アンコンシャス・バイアスが育てる側の重点課題として掲げられているのは、東京海上日動がマネジメントの基本方針として「3つのK」を徹底していることに起因します。3つのKとは「期待して」「鍛えて」「活躍する機会と場を与える」こと。マネジメント層における男性の比率が高い同社では、社員への意識調査・ヒアリングで、自身と同じ価値観や働き方をする人やけん引型のリーダーが評価される傾向が見られたそうです。その後、アンコンシャス・バイアスによって無意識のうちに女性社員の「3つのK」が阻害されていると分析。「リーダーはこうあるべき」「女性はこうあるべき」「女性は管理職になりたがらない」という思い込みを誰もが持っていると自覚した上で、意識や行動を変えていくための施策が始まりました。

2017年から、育てる側のアンコンシャス・バイアスに対する意識・行動変革を目的とした取り組みがスタート。まずは部長クラスに対し、毎年一回集合形式での「Diversity&Inclusionフォーラム」が開催され、CEOメッセージ、社外講師による基調講演、グループディスカッションを実施しています。2020年には、オンラインシステムを活用し、対象者を全管理職に拡大。e-Learningプログラムも展開しました。

一連の取り組みの効果として現れたのが、社内のあらゆる場所でアンコンシャス・バイアスが共通言語として使用されるようになったこと。人材育成の論議など、マネジャー同士が気づき、指摘し合うようになったといいます。アンコンシャス・バイアスを自分ごとと捉え、本質的に変革していく意識を持つことが重要という考えのもと、今後はジェンダーにとどまらないダイバーシティ&インクルージョン推進へも注力していくそうです。

東京2020組織委員会・田口亜希アスリート委員兼ジェンダー平等推進チームアドバイザーの感想

田口委員は、「育てる側、育つ側両方の変革という観点が刺激的でした。知ってもらわなければ想像力はつかないので、東京2020大会がきっかけになって、双方の意識が変わっていっているのがうれしい」とコメント。

一人ひとりに向き合うこと、そして違いを受け入れることが、「個」の力を最大限引き出し、個人と組織の成長につながると鍋嶋さんはいいます。長期的な視野に立って社員の意識改革を進めていることが、東京海上日動の取り組みの先進性だと考えられます。

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