日本生命「従業員の9割が女性 どのように活躍を推進するか」:ジェンダー平等及び多様性と調和に関するパートナー事例共有会

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公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、2021年5月10日(月)、「ジェンダー平等及び多様性と調和に関するパートナー事例共有会」を開催しました。同イベントは、東京2020大会パートナー各社におけるジェンダー平等や多様性と調和に関する取り組みを、東京2020組織委員会及び全パートナーで共有することにより、東京2020大会、さらにその先のレガシーにつなげていくことを目的としています。

先進的な自社事例についてプレゼンテーションを実施したパートナー7社の中から、今回は日本生命保険相互会社(以下、日本生命)の取り組みを紹介します。

10年間の試行錯誤の中で女性の支援を推進

日本生命の事例紹介は「Diversity & Inclusion~多様な人材の多彩な活躍の推進~」がテーマ。取締役常務執行役員の山内千鶴さんがプレゼンテーションを行いました。

創立130年を迎える日本生命は、従業員約74,000名のうち、女性が9割を占めます。同社は女性の活躍に必要な要素を「人権の尊重」と「男女の固定的役割分担意識の払拭」だと考えており、具体的な対応として、社内外へのメッセージ発信と対話による経営層の「本気性」の訴求、「期待する」「機会を与える」「鍛える」「決めつけない」を意識した人財育成の方針「4つのき」、女性自身が人生やキャリアにおいて主体的に考え行動する「覚悟・自信」が重要としています。

こうした方針のもと、2008年に女性が長く働くための両立支援を充実させる「輝き推進室」を設置して、女性の活躍推進を本格的にスタート。その後、顕在化した課題に対する段階的な改善に取り組んできました。まず初めにワークライフバランスへの理解を促進する女性のキャリア形成支援、つづいて男性管理職の意識・行動改革を推進。2012年以降は女性活躍を経営戦略として位置付け、2017年にダイバーシティ推進方針を策定・公表して、現在に至っています。

一方で、2015年からは社外向けの取り組みも推進。社会的に弱い立場にいる人々への支援をする団体とパートナーシップを組み、あらゆる施策を実行してきました。

今回は、一連の取り組みの中から、日本生命における特徴的な施策を紹介します。

プレゼンテーションを行った山内千鶴さん
プレゼンテーションを行った山内千鶴さん

社内外を問わない多角的な施策で、女性が活躍できる社会を目指す

男性の育休取得を推進する取り組みでは、固定的な性別役割分担への意識を払拭する観点から、2013年より男性育休取得率100%を掲げ、職場環境の整備や働き方改革を推進してきました。取得率100%は8年連続で達成されており、企業風土としても定着しているといいます。

2015年よりスタートした管理職の意識・行動改革「ニッセイ版イクボス」は、「イクボス」(管理職)がキーパーソンとなり、働きやすさと働きがいの向上、自由闊達な職場風土の醸成を図る施策。次世代育成、闊達な組織づくり、部下のワークライフマネジメント、自らの成長に対する取り組みを毎年策定し、職場内に掲示しています。

女性のキャリア形成支援としては、管理職の登用比率目標を対外公表することで、毎年のPDCAとともに数値の向上を前進。次世代女性リーダーの育成プログラムも実施されており、女性管理職層の意欲向上や視野拡大を目的とした役員によるメンタリングミーティング、社外で活躍する女性の講演や先輩女性管理職との交流を促進する「きらめき塾(営業フロント管理職育成研修)」などが企画されてきました。

また、社外向けの取り組みとしては、生きづらさを抱える少女・若い女性たちを支援すべく、一般社団法人若草プロジェクトと包括協定を締結。同団体が新規設置したいじめや虐待などを受ける少女の悩みを聞く「まちなか保健室」の認知向上に向け、保健室の職員が見守り時に使用する携帯用除菌スプレーを寄贈するなど、支援をつづけています。また、日本経済学会への支援として女性研究者奨励賞「日本生命賞」を創設し、次世代の女性研究者の育成を応援しています。

東京2020組織委員会の大日方邦子理事より質問

大日方理事は、「女性従業員が非常に多いことが特徴的である一方で、管理職については男性比率が高い日本生命において、難しい点はありますか」と質問。これに対し山内さんは「女性従業員の大半は営業職員。お客様を訪問し、人生設計のお手伝いをするのが仕事であり、社外にいる時間が多いため、組織のトップに立つという意識そのものが高くはないという印象です。一方で内勤の従業員は、かつて総合職と一般職に区分けしていましたが、このうち一般職を見直し、エリア総合職という形で管理職へのキャリアを広げるように制度を改革しました。しかし現在も総合職が指揮するような構図が多少残っており、それが一般職であった従業員の受け身な姿勢につながっていると感じます。これらの点を重点的に改善していくことで、よりよい社内環境になると考えています」と回答しました。

日本生命の長年の取り組みからは、女性従業員が多い一方での、女性のキャリアアップにおける独特な課題も共有されました。社内及び社会全体の女性の活躍を支援するために段階的な改善を進める、同社の今後の取り組みに期待がかかります。

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